2017-09

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「コモディティとならざるもの」のヒントあり 書評:模倣される日本

模倣される日本―映画、アニメから料理、ファッションまで (祥伝社新書 (002))


日本ブログ界の重鎮である弾さんのIT Proの記事を読んだ。

【Watcherが展望する2008年】 コモディティとならざるもの:小飼弾 404 Title Not Found:ITpro

非常に面白い記事で、いろいろと思うところがあった。
そして、この記事を読んだときに浮かんだ本が「模倣される日本」だ。

「模倣される日本」目次


・第一章 模倣される映像
・第二章 模倣される生活様式
・第三章 模倣される理由
・第四章 模倣する日本
・第五章 共感される日本
・あとがき



第三章 模倣される理由 から引用する。

欧米の生活様式に合わせて作り出された日用品は、服から家まで
衣食住に関するすべてのものが購入したとたんに価値が下がっていく。
しかし、かつての日本の日用品は違った。
買ってから価値が上がるものもあった。

(中略)

紬(つむぎ)は(中略)着れば着るほど着心地がよくなってくる。
かつて大店(おおだな)の主人が結城紬を手に入れると、
一年間使用人に着させて、何度も洗い張りをし柔らかくしてから
着用したと言われている。洋服では、一年間誰かに着せてから
着るということは考えられない。他人が着た途端、古着となる。

きものだけではない。日本の日曜道具は、使い込まれて、
使用する人の癖や使用方法がなじんでくる経年変化が織り込み済みである。
そのため使っている人にとっては、価値は減じるどころか、増してきて、
ものを大切にし、長く愛用することになる。


弾さんは、先ほどの記事で「コモディティならざるもの」に
「体験」を例として挙げ、「持つな、もてなせ」と説いている。

「経験」が「知識」と紐付けされるのなら
「体験」は「感情」と紐付けされると言えよう。

本書は、洋服のようにボタンなどの構造はなく、複雑な立体裁断でなく
平面裁断だからこそ、修繕がきき、「一生もの」どころか「三代」
続くことも珍しくない日本のきものが、世界のファッションに
影響を与えている例なども挙げている。

「思い入れ」や「愛用」なども「感情」とリンクした「体験」であり
このあたりが「コモディティとならざるもの」の鍵となる。
そういった意味で「歴史」もまた「コモディティとならざるもの」だろう。
形見の品などは、コモディティにしようがないものの代表例だ。

本書は、単純に読み物としても面白く、日本のマンガ文化の強みに
庶民の絵心や、西洋のような固い筆記具ではない「筆」に着目した点が
個人的に「なるほど」と膝を打った次第。

他にも本書には「コモディティとならざるもの」のヒントがあると
感じた箇所があるけれど、これに言及するのは未読の方に無粋だろう。
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